「こころの元気+」で連載の「仲間のチカラ」に見る最近の仲間の会の特徴(本人)


こころの元気+ 2014年9月号特集より


特集5
「こころの元気+」で連載の「仲間のチカラ」に見る最近の仲間の会の特徴


日本社会事業大学大学院博士後期課程
澤田優美子


日本の仲間の会小史

当事者である故・吉田おさみさん、桐原尚之さんたちの研究によると、1950年代、全国のいくつかの病院で入院患者さんの自治会がお医者さんたちの手によってつくられたそうです。
時を経るにつれて、いくつかの団体は、お医者さんたちが表面から退き、患者さん自身が運動の担い手となっていきました。1960年代末頃、その中から比較的過激な精神障がい者解放運動も起こってきました。
1974年、日本初の全国当事者会「第1回全国患者集会」が開催されました。その後、退院した患者さん中心の会が次々と設立されました。
1989年から、東京都のJHC板橋会が毎年アメリカにピアカウンセリング研修に行くようになり、2002年に日本ピアカウンセリングネットワークを設立しました。
2007年には、WRAPファシリテーター養成講座が開始され、WRAPが全国で盛んに行われるようになりました。2010年代に入ると、コンボのPNPPや元気+サークルズなど、ピアサポートグループ(仲間の会)を支援する事業が開始されました。

最近の仲間の会の特徴

コンボでは2013年にピアサポートグループの全国調査を行いました。その結果、アンケートに回答してくれただけで、全国に毎年2桁のグループが設立されている様子がわかりました。

私は、最近の仲間の会について知るために、連載「仲間のチカラ」第1回から55回までをふり返ってみました。
その結果、設立10年以内の新しい会が多いことがわかりました。また、北は北海道から南は沖縄まで、全国で展開されていました。東京は別として、栃木、三重、岡山県に比較的多いこともわかりました。

一昔前は、統合失調症中心で、病気のことを話し合うイメージでしたが、今はさまざまな特徴に合わせた会が生まれ、生活や地域との関わりを指向する会が増えているようでした。
たとえば、強迫性障がい、発達障がい(2グループ)、産後うつ、うつ病、心の悩みのある方、東日本大震災被災者、女性の会がありました。
活動内容も、ピアカウンセリング4グループ、WRAP3グループ、体験発表2グループ、スポーツ3グループ、アート2グループ、雇用2グループ、喫茶2グループ。その他、鉄道運賃の割引を実現するための運動、IPSの普及、ネットラジオ、幻聴妄想かるた・Tシャツの製作、出版、チンドン、劇、ダンス、婚活のための出会いの場とさまざまです。

あなたも

私も、ピアカウンセリングなどを行う会の副会長や「元気+サークルズin清瀬」(東京都)のレギュラーメンバーであり、ある「女子の会」にも参加しています。どの会でも、いつも仲間から癒しと元気をいただいています。

あなたも、自由な発想で、身近な仲間とグループをつくってみませんか。コンボ発行の「ピアサポートグループ(元気+サークルズ)の進め方・立ち上げ方マニュアル」も役に立つことと思います。