本当にうつ病? セカンドオピニオンを求めたい(QA)


こころの元気+2011年2月号(48号)の「おこまりですか?」のコーナーより
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Q セカンドオピニオンを求めたい


私は、うつ病と診断されている25歳の女性です。

最近、インターネットで病気のことを調べているうちに、もしかして自分は、躁うつ病の分類の「双極性障害Ⅱ型」という病気なのではないか、と思うようになりました。

主治医にそのことを伝えても、「違うと思います」と言われてしまいました。
でも、やっぱり、自分は双極性Ⅱ型なんじゃないか、という思いは消えません。

友人に相談をしたら、「他の医者に意見を聞くセカンドオピニオンを求めてみたらどうか」と言われました。
それで、インターネットで調べたら、
「まずは主治医に話して他医への診療情報提供書を作成してもらう必要がある」と書かれていました。
セカンドオピニオンは、患者の権利です、と書いてあるサイトもありました。

でも、主治医にそんなことはちょっと悪くて言えません
主治医のことを疑って、「信用していません」と伝えるような気がするからです。

主治医を変えたいという思いはありませんが、他の先生の意見を聞いてみたいのです。
そんなとき、どうしたらよいのでしょうか。

主治医に話さずにセカンドオピニオンを求めることは不可能でしょうか。
もしそうであれば、主治医に角が立たないように、話すにはどうしたらよいのでしょうか。
それとも、医者以外に、そうした診断についての意見を聞くことができる立場の人はいるのでしょうか。

皆さんのアドバイスをお教えください。

 


A 看護師と患者の立場からの回答
niesさん(福岡県)


私は、うつ病で休職中の25歳の看護師です。

うつ病で、同じ25歳、そんなあなたに、本当に少しでも力になりたい!」と思い、こうして筆をとりました。
看護師、患者の二つの視点で書いてみます。

 

【患者としての立場】
もし、私があなたの立場だったら、主治医に相談せず、他院を一度受診してみます。

時間と手間とお金がかかってしまいますが…
ドクターショッピングといわれてしまうかもしれません。

しかし、医師の書いた診断書がない、先入観のない、まっさらの初診の状態で、医師の判断をもう一度あおいでみるのも、一つの手かと思います。

 

【看護師としての立場】
あなたが通院されている病院には、看護師や、精神保健福祉士、心理士さんはいらっしゃいますか?

医師には直接言えないことを聞いたり、その間の連携をとるのも、私たち医療者の仕事でもあります。
専門職を活用してみませんか?
その不安な気持ちだけでも相談できませんか?

自分は今、こう思っていて、医師にどう言えばいいのかわからない、医師との関係を保ちたいという思い、相談してみてはいかがでしょうか。
うつは、つらいこともいろいろとありますが、お互い一緒にゆっくり進んでいきましょう。
あなたが、笑顔多い日々をおくれることを心から願っています。

 


A 他の医師の診断を求める
寺澤真さん(神奈川県)


私は、双極性障害Ⅰ型で、精神障害者手帳三級を取得している者です。

私は、過労からうつ病になり、最初は会社の産業医に診てもらいましたが、原因がわからず、三軒も精神科をはしごして、初めてうつ病と診断され、すぐに三か月の休職が必要と言われました。

その後快癒して転職いたしましたが、転職先で躁状態となり、そのときの主治医に助けを求めましたが、満足な診療は受けられませんでした。
それどころか、医療費を安くする制度があったにもかかわらずに、教えてもくれませんでした。

またその後、縁あって今の病院にかかっていますが、最初の主治医は、診察態度の食い違いで変更を求めて、現在の主治医に変わってもらいました。今の主治医が一番合っているように思われます。

そういったいきさつを考慮すると、セカンドオピニオンを求めるのに、今の主治医の承諾を得る必要はないと思います。
今の主治医にとって、セカンドオピニオンを探すといっても、あまりいい印象は与えないと思われます。
特に診断書をもらえなくとも、他の精神科医に初診で診てもらえればいいだけです。

精神病は、医者の診断が個々によって大きく異なるものです。
他の精神科医に診ていただければ、今の不安はなくなるでしょう。
私なら、他の先生の診断を求めるのが最善の策と思われます。

また、医師以外で病気の診断を求めるのはむずかしいと思われます。
考えられるのは、カウンセラー(臨床心理士)ですが、その後の診療を考えるとおすすめできません。

ぜひ今は、信頼できそうな医療機関を探してください
同じ病気を持つものとして、心からうまくいくようにお祈りしています。

 


A 簡単に考えてはいけない
市川左千子(埼玉県)


私は、セカンドオピニオンを簡単に考えてはいけないと思います。

私は、病状ではないのですが、生活が制限され、セカンドオピニオンを考えました。
でも、主治医に「自分らしく生きたい、それができないのならセカンドオピニオンを考えている」と伝えたところ、真剣に話を聞いてくれて、無理をしないことを条件に自分らしい生き方を認めてくれました。

今はどこの病院も、紹介状が必要です。
主治医に知られないで、なんて無理です。
きちんと主治医と向き合わなくてはいけません。

私も、うつから双極性障害になりました。
うつ歴9年、双極性障害歴1年半です。

いつからとははっきりしませんが、薬が変わっています。
それまでは、気分を上げるものだったのが、全部抜かれて気分を落ち着かせるものになりました。
また、躁時期には気が大きくなり他に迷惑をかけるので、けっこう入院している人が多いですよ。

自分の病気が、気になるかもしれません。
セカンドオピニオンを考えるのであれば、「もうこの先生のところには、もどってこられない」くらいの気持ちでないと後悔しますよ。
病院を次々に変えていく人っていますけど、それは体の病気。心の病気は、長い時間かけて知恵の輪をといていくようなものです。

ケースワーカーはいませんか?
まずその人に相談してみましょうよ。
病院を変えない、よい対処法が見つかるかもしれませんよ。

 

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