太ることが怖い


Q 40代女性です。5年前に体重が15㎏増えました。あるときスカートの試着をしたら、Lサイズがはけなくて2Lサイズを買う羽目になり、すごくショックでした。
 それからダイエット食を使い、ダイエットをし、もとの体重まで落とすことができました。
 しかし、また2~3㎏増えてきたとき、前のように増えるのが怖く、またドリンクダイエットを始めました。やせていく自分が快感でした。
 でも、自分よりやせている人を見ると、「あの人のようになりたい」と思うようになり、エスカレートし、今のBMIは18を切り、体脂肪率も14%くらいまで落ちました。
 ご飯は子ども茶碗に軽く一杯、食べるのをすべて制限し、食欲はあっても太るのが怖くて食べるのをセーブしてしまいます。
 しかし、甘い物がどうしてもやめられず食べてしまいます。食べたいけど食べられないのでかなりストレスがたまります。
 たまに外食をするとすぐに体重が増え、パニック状態になり、どう対処してよいかわからなくなります。
 自分の姿を見ると、もう少し太ってもよいのではないかとも思うのですが、体重計に乗ると減量することばかり考えます。
 主治医に「体重のことが気になり、1日に15回ほど体重を計ってしまう」と相談したら「ムダだからやめなさい」と簡単に片づけられてしまいます。
 体重が増えると自分の顔を思い切り殴るという自傷行為もあります。こんな状態をどうしたら抜け出せますか。

A 科学的分析と知識をつけて/ゆきさん(東京都)

 私も40代の女性です。ご質問を、まるで自分のことのように思いました。
 私は3年前まで体重が80㎏ありました。身長が161㎝なので、完全な太りすぎでした。膝に持病があるため、一大決心をしてダイエットをしました。
 現在は体重50㎏、体脂肪率18%、BMIは19で、1年ほど現状維持ができています。
 私の太りすぎの原因は昼食の食べ過ぎだったので、昼食を無脂肪のヨーグルトに置き換えただけで、後は特別な運動もせず、家事に時間をかけるようにしてやせました。食事はなるべく手作りにして、甘い物も、簡単なクッキーや白玉だんごをつくったりしています。 とはいえ、外食をしたり、甘い物を食べすぎたりすると、あっという間に2~3㎏体重が増え、自己嫌悪におちいっていました。
 そんなとき、自治体主催の全6回の「健康教室」があると知り、バランスの取れた食事管理の仕方や調理実習、軽体操による筋力のつけ方を学びました。また、自治体運営のスポーツ施設で体成分測定をしました。
 自分の筋肉と脂肪の割合や部位別筋肉のバランス、体型が数字で表れ、スポーツインストラクターに1対1で指導をしてもらいました。体重でしか自分の体を評価していなかったので、目から鱗が落ちる思いでした。
 食事バランスは自分だけでは管理がむずかしいので、インターネットの無料の食事管理サイトに登録をし、食べた物を記録して、栄養価やカロリーを評価してもらいました。栄養士の先生が監修のサイトなのですが、ダイエットの大敵だと思っていた炭水化物と脂肪を摂取することが大切と知り、いかに自分のダイエット情報が間違っていたかがわかりました。
 結果、精神的にも体力的にも安心して生活できるようになり、周囲からも「やせたけど元気そうだね」と言ってもらえるようになりました。
 科学的な分析と正しい知識を身につけることで、ダイエットというストレスから解放されました。

A 足で治せ/熊田貝さん(神奈川県)

 ご相談者様の文を読むと、どうやら摂食障害という依存症ではないかと思われます。もしそうだとすれば、それを理解しない医師というのはいかがかと思われます。
 ウツに効くといわれるのが認知療法といわれ、依存症に効くのが家族療法だといわれます。
 私はたまたま別の依存症で、家族療法の流れのカウンセリングを18年間受けてきました。摂食障害の仲間も、何人かいます。病院とは別の事務所です。自分だけが苦しんでいるのではないとわかると、多少安心感がわくと思います。
 摂食障害の本はたくさん出ているので、本を読むのもいいかもしれません。
 カウンセリングはいかがですか。保険が効くところなら、家族療法にこだわらなくても、さまざまな療法が病院にもクリニックにもあります。快方に向かう原動力になると思います。
 摂食障害の当事者がやっている団体も相談相手になるでしょう。保健所では依存症の相談業務もやっています。インターネットでも情報は入ります。
 依存症には〝足で治せ〟という言葉があります。
 信頼できる医師にかかりに行くのも足です。カウンセリングに行くのも足です。そしてデイケアや作業所、書店に行くのも足です。ぜひ足を使ってみてください。

A 自分にやさしくしてほしい/あおやん(大阪府)

 私も摂食障害でした。高校生の頃に嘔吐なしの過食症になり、現在は高校生の頃よりも30㎏も太りました。
 統合失調症の被害妄想がひどくなり、外に出ると悪口を言われているような気がして、しんどくなります。
 私は、もっとやせていた頃に、自分にやさしくしてあげていたらなぁと、後悔しています。30㎏も太ってしまった私は、もう二度とやせていた頃の体重には戻れないでしょう。悲しいけれどあきらめています。
 投稿者の方も、私みたいになって手遅れになる前に、ご自身のことを大切にされてほしいです。なぜなら、摂食障害は一種の自傷行為ではないかと思うからです。食べることで(もしくは食べないことで)、自分自身の身体を痛めつけているような気がします。
 私は、太ったからこそ、太っている人のつらさや痛みがわかるようになりました。あのままやせていたら、一生わからず、おごっていたことだと思います。
 また、ぽっちゃり向けのおしゃれ雑誌で,太っていてもおしゃれな読者モデルたちを見るなどして元気をもらっています。太ることは怖いことだけれど、太っていても、できることはあると最近、思えるようになりました。
 投稿者の方には、太ることに怯えすぎず、摂食障害がひどくなりすぎないように、現在の自分を好きになってほしいと思います。私も摂食障害には回復の道があると信じて、希望を持って生きていきたいです。

A 栄養不足に慣れないうちに/ハイジさん(東京都)

 身も心も大切にしていただきたいと思った私は50代の女性です。
 私はあるとき、家庭内のすさまじいゴタゴタの強いストレスから、急に食事がとれなくなってしまいました。みるみる体重も落ちていき、40㎏を切ってしまいそうになったとき、友人から「このままでは危険だよ。気づいている?」と、内科の受診を強く勧められて、そのまますぐ緊急治療入院となりました。
 病名は「摂食障碍」だったので、それは骨と皮のしわしわだらけでわかってはいたものの、主治医の前で「ダイエットはしていません。それでも私は拒食症ですか?」と、涙がポロポロとこぼれてきました。
 入院してすぐに点滴。そして口から少しずつ食べる練習をしていきました。
 退院後も体重はすぐには戻らず、食も細かったのですが、見た目や体重だけでなく、他にも、顔色・体調・精神・趣味などが安定しているかも客観的に友人が教えてくれていました。
 そして3年の歳月が流れて、「よかったね。最近、元気そうに見えるよ」と友人に言ってもらえるまでに回復してきました。
 脳が栄養不足に慣れてしまったままではたいへんなので、ご自分の体の変化を早く改善していかれるようにと私は心から思いました。
※BMIは体重÷(身長×身長)の値で18.5~25が、また、体脂肪率は女性で20~30%が適正とされている。

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