病名を人に話すことについて

Q 私は、22歳前後に統合失調症および、PTSDを発症し、26年目になる主婦です。若干の波はあるものの、比較的安定してきていると思います。ですが病とは一生のつきあいになると覚悟はしております。  そんな中で思うこと、最近もやもやとしていることがあります。それは、この病名を誰にどこまで、どれだけお話しすればよいかです。ケースバイケースとはいえ、当事者さんばかりがいらっしゃる場所でもまったく言えない自分がいます。  もう50歳を目前にした年齢ですが、同じ病で苦しむ人のため何かできないかと思うこともかなりあります。しかし、このような状態では何もできません。それがもどかしいのです。  私の人生の中では、病気の体験がほとんどといっていいほど、多くを占めています。おだやかな幸せな体験はあっても、あまり思いにのぼることはなく、すぐに過去や忌まわしい体験の記憶へと引き戻されてしまいます。  「似たような体験をしている人は多いのでは?」と思います。同じ病で苦しんでいる人に対して、何も大げさなことをしたいわけではありませんが「何かこの病の体験をいかせやしないか?」そう思うとき、自分の病名すら発言できないことが邪魔をします。やはり自分の中の偏見と社会の偏見が怖いのでしょうね。  ご自分の病名を明かされてさまざまな活動をしている方は、どういう経過をたどり、そうすることにしたのか知りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

A 他の方の話を聞いて/Fさん(広島県)

 以前、私も病名を明かすなど考えられませんでした。それが変わったのは、自助グループで「あるがままの自分」を出している方の話を聞いたときです。こんなに楽に生きられるのかと感じました。  ただ、それは、この方と出会って1年ほど経ってからのこと。その間、この方から感じるものを蓄積していたのかもしれません。また、治療の成果もあったのかもしれません。  以来、私も真似をしました。そして、しばらくしてカミングアウトをして復職しようと思うようになり、1年半前、順調に復職できました。  復職後、毎日のようにストレスを感じますし、感じていないものも含めると、相当のダメージがあると思います。ストレスに負けないパワーの必要性を強く感じました。  それを担っているのが、相談者さまのおっしゃる「同じ病で苦しむ人のため何かできないか」との思いです。先の自助グループで、自分を隠さないことを意識しながら語る話が、誰かの参考になっているかもしれないと思うようになったのです。  現実的に何か手助けするというより、自分の存在が仲間のために役立っているかもしれないという希望、自己満足です。この回答も、役立つかもしれないという可能性にワクワクしながら書いています。この感覚が過去の記憶を消せるとは思いませんが、その苦しみを和らげるものなのかもしれませんね。

A 一大決心で/向山淳子さん(神奈川県)

 私は発病して27年になります。ずっと病気のことは言えませんでした。私もやはり、精神障害に対しての偏見を持っていたからです。  そんな自分が苦しく感じ始めた頃に、啓発セミナーの体験発表を募集しているのを知り、私はカミングアウトしようと一大決心をして300人近くの人の前に立ちました。  自分の病気のこと、体験してきたことを話したら涙が出てきました。

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