過去とのギャップに苦しみます

Q 私は、一級建築士の資格をもつ四九歳の男性です。七年前まで設計の仕事をしていました。景気がいいときには、仕事もたくさんあり、給料も高く、リッチな生活をおくっていました。ところが景気が悪くなってくると、新築が少なくなっていき、一件あたりの単価が低くなり、会社もかなり苦しい状況になりました。リストラが続き、私は会社に残ったものの、どんどん残業時間が延びました。自転車で通える職場だったので、夜中の二時頃まで働くこともざらでした。そのうち、心身ともにぼろぼろ状態になり、七年前にうつ病と診断され、会社を辞めました。翌年には、女房ともうまくいかなくなり、離婚しました。今は、不動産会社でアルバイトをしています。 ところが、私はもともとエリートだったせいか、そのプライドが常につきまといます。バイト先で、若い人と一緒に仕事をしたり、一五歳も年下の課長と一緒に仕事をすることを情けなく感じるのです。それだけでなく、その人たちが社会を知らない若造たちに思え、あれこれと指示をされることが苦痛です。指示が的確で、当然の指示であっても、何か頭にくるのです。でもそれ以上に苦痛なのは、自分の能力が格段に下がってしまったことを、常に実感しなくてはならないことです。そうした過去の自分と現在の自分とのギャップに、皆さんはいったいどのように向き合っているのでしょうか。なかなか割り切れなくて、自分が情けない毎日です。

A 強さよりもやさしさ/ミナミヒロコさん(京都府)

質問者様のお気持ち、よくわかります。きっと質問者様は、能力の優劣が、人としての価値の優劣と同じにお考えなのではないでしょうか? 高校時代、私は陸上をやっていたのですが、強い人には価値があり、弱い人には価値がないと考えていました。二年生に進級した頃、ずっと調子がよくて、合宿でも大活躍だったのですが、大事な大会前に倒れてしまいました。ショックで何日も寝込みました。「自分は弱い」。そう思うと、生きることが不安でたまらなくなりました。弱い自分を受け入れることが、どうしてもできなかったのです。それから、長いスランプに陥りました。頭に浮かぶのは、強かった自分ばかり。弱いと思っていた人たちに先を越されるのは、何より苦痛でした。

続きを閲覧するにはログインが必要です。→ ログインボタンからログインしてください。