第7回 精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)発表!

当事者主体の就労活動・地域密着イベントが活発
 岡山県 岡山マインド「こころ」のみなさん
外見ではわかりづらい精神障害を「見えやすく」伝える
 奈良県 榎田(えのきだ)伸也さん

特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構・コンボ(事務局:千葉県市川市、以下「コンボ」)は、2011年3月11日(金)、「第7回 精神障害者自立支援活動賞(通称:リリー賞)-ひとりひとりの輝くあしたへ-」の表彰式を実施、たくさんの応募の中から特に優れた活動を行っている2組に対し表彰状と副賞(100万円)を授与いたしました。
第7回リリー賞を受賞されたのは、精神障害当事者の就労活動を具現化した店舗運営や、地域に根差したイベントなどを積極的に行われている岡山県のNPO法人岡山マインド「こころ」さん、外見ではわかりづらい精神疾患を「見えやすく」伝えるための活動としてかるたや絵本を製作されている奈良県の榎田信也(えのきだ・しんや)さんの2組です。
リリー賞は、精神障害者の社会参加支援や地域社会での自立を促す活動を行っている当事者・当事者団体を表彰し支援するため、2004年に設立、この支援制度を通じ、精神保健福祉に貢献されている当事者または当事者グループ、その独自の活動が社会へ広く紹介され、精神疾患への理解を得る機会となることを目的とし、協賛の日本イーライリリー株式会社をはじめ、多くの保健福祉団体が後援として参加しています。

【受賞者、プレゼンター 音無美紀子さん、選考委員、協賛社による記念撮影】

今回の募集は、精神障害者の社会参加や自立のために長年尽力し、意欲的に取り組む当事者個人・団体を対象に、2010年9月13日から12月31日まで、新聞・雑誌などでの報道、コンボホームページ、病院、診療所、精神保健福祉センターほか各施設などでのポスターの掲出やチラシの配布を通して行われました。応募総数は54件、いずれの応募も当事者の自立支援や社会環境の整備に貢献されており、これまでのご苦労や懸命な取り組みと活動意欲が伝わる水準の高いものばかりでした。
選考は、①当事者を主体とした取り組みであること、②独自性、③社会・医療・保健福祉へのインパクト、の3点を主な選考基準として、以下8名の選考委員により、2011年2月6日(日)に行われました。

高橋清久先生(財団法人精神・神経科学振興財団理事長/コンボ・アドバイザリーボード)/佐藤光源先生(東北福祉大学大学院教授、元・日本精神神経学会理事長/コンボ・アドバイザリーボード)/寺谷隆子先生(山梨県立大学教授、日本社会事業大学客員教授)/佐野卓志氏(第6回リリー賞受賞者、NPO法人ぴあ理事長)/藤野英明氏(横須賀市議会・議員)/大島巌先生(コンボMHL研究所、日本社会事業大学教授)/伊藤順一郎先生(コンボ共同代表、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)/宇田川健(コンボ共同代表)

コンボでは、困難な環境や状況を乗り越え活動している当事者を表彰する本賞を通じて、より多くの方々が統合失調症をはじめとする精神疾患への正しい理解を深め、当事者にとってより良い環境整備及び充実の一助となるよう願うとともに、今後も様々な活動に尽力してまいります。
                                                         以上

特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構・コンボ(Community Mental Health & Welfare Bonding Organization)
「精神障害をもつ人たちが主体的に生きて行くことができる社会の仕組みつくり」を目的とし、平成19年2月に設立したNPO法人です。
月刊メンタルヘルスマガジン『こころの元気+』(1万部)の発行をはじめとして、「当事者の視点」を活動の主点に据え、当事者、家族および専門職を対象とした情報提供や、ACT・家族心理教育・就労支援など科学的根拠にもとづくプログラムの実践および普及活動、そして、地域精神保健福祉の発展に資する活動などを主に行っています。

日本イーライリリー株式会社
日本イーライリリー株式会社は、米国インディアナ州に本社を置く製薬会社、イーライリリー社の日本法人です。
イーライリリー社は革新的な医薬品を全世界の人々に提供することを通じて、人々の健康で活動的な生活に貢献しています。日本イーライリリーは、骨粗鬆症、糖尿病、成長障害、成人成長ホルモン分泌不全、統合失調症、がん(非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、悪性胸膜中皮腫)をはじめとする、内分泌・骨代謝系、中枢神経系、がんの領域における治療法を提供しています。

【問合せ先】NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ)・リリー賞事務局
   TEL:047-320-3870/FAX:047-320-3871


第7回 精神障害者自立支援活動賞(リリー賞) 受賞者プロフィールと活動内容

岡山マインド「こころ」さん (岡山県倉敷市真備町)

倉敷地域で暮らす心の病を抱えた当事者・家族が安心して生活できる支援体制、やさしい地域づくりを目的に平成14年3月に設立。当事者による自助・就労活動と、精神障害者への偏見を少なくするための啓発・交流活動の2本の柱を掲げて積極的に活動している。当事者運営のお店をオープンし商売のノウハウを習得するなどの就労支援活動、啓発のための音楽会やセミナー、イベントを多数開催、地元の中学校と連携したイベント企画など、地域密着で当事者を主体とした積極的な活動が高く評価された。
 
岡山マインド「こころ」:坂本さんの受賞コメント
この度は、こんな大きい賞を頂いてびっくりしています。去年参加した「ボチボチまつり」の中で、中学生にボランティアのお願いをしに行ったり、一緒にモノづくりをしたりして交流をしました。最初は、「ボランティアという言葉は嫌いです。一緒に楽しめたらいいなと思っています」などと、カッコつけましたが、実際ボランティアがいないと成り立たな かったなと後で思いました。モノづくりで交流したときに、中学生は、精神病と言っても、みんなそんなに引いていなかったです。僕が中学生の頃は、不登校で引きこもり、オマケに発病・・・(笑)でもそんな子たちも多いと思う。どうか弱いものに目を向ける世の中になってほしい!と勝手に思っております。夢はでっかく、将来は自分の会社を起こしたりとかしてみたいです。地ビール工場も頑張り過ぎないように頑張ります(笑)。
岡山マインド「こころ」:代表理事 多田さんからのお祝いコメント
この度は第七回リリー賞の受賞、おめでとうございます。マインドさんがここまで地道に積み重ねてこられたことが評価されたことが自分のことのようにうれしく思えます。地域の溝掃除や花壇の花植え、地元のお祭りへの出店、そして中学校やいろんな場所で「病」の話をされたり、勇気をもって人の中に出て行かれたみなさんにエールを送ります。いつもみなさんの温かいつながりが素敵だと思ってきました。これからも苦労はおありでしょうが、一緒に歩んでいきたいと思います。

榎田伸也(えのきだ・しんや)さん (奈良県生駒郡三郷町)

2004年3月より体験談の講演活動などを開始。活動を重ねるうちに、「みてくれ」ではわかりづらい精神疾患は「語る」だけでは伝わりづらいと感じ、自らの症状をキャラクターに置き換えてストーリー化した紙芝居を製作、「見せる」形での啓発活動を開始。その後「こころかるた」、「思いこみ脱出かるた」を製作、かるたという「あそび」を通じて精神障害を身近に感じてもらうなど、誰にでもわかりやすい方法での啓発活動の独自性が評価された。
 
榎田さんの受賞コメント
このたびは、このような賞を頂きまして、大変うれしく、感謝しております。私は、様々な活動を通して、「精神障害をよりマイルドに、より一人でも多くの人に、ありのままに伝えたい」という思いを持っています。今回の受賞は、多くの「仲間」あって達成できたものと思います。まだまだ道半ばの私ですが、これからも諸活動に精一杯取り組んでいきたいと思っております。
社会福祉法人 萌 地域活動支援センターふらっと/地域活動支援センターぴあぽ~と からのお祝いコメント
受賞おめでとうございます。自分の体験を自分の言葉で語り、紙芝居やかるたなどユニークな手法でいろんな人に伝えていく彼の活動に、多くの仲間はもちろん、私たち支援者も励まされ「一緒にがんばろう」という気持ちにさせてくれています。また、JR・大手私鉄への精神障害者運賃割引を実現する会「レールネットワーク」、学校教科書に精神疾患の記述の復活を求める奈良県当事者の会「リメーテ」を立ち上げ、活動の場を広げる榎田さんを応援しています。

■表彰式の模様は、下記でご覧いただけます。
・表彰式&「こころの元気+セミナー」学校教育とメンタルヘルス(前半)
http://www.ustream.tv/recorded/13239371

・「こころの元気+セミナー」学校教育とメンタルヘルス(後半)
http://www.ustream.tv/recorded/13242775

■患者さんの声 わたしの「輝くあした」へ
日本イーライリリー㈱が運営する統合失調症の患者さんとそのご家族を対象とした疾患情報サイト「Schizopherenia.co.jp」内にて、過去のリリー賞受賞者の受賞後の活動や新しい取り組みなどを紹介しております。リリー賞を受賞された方々は、受賞後もPSWの資格取得や多くの講演活動、調査研究の実施など、統合失調症をはじめとする精神疾患当事者やそのご家族の声や実態を社会へ伝えるべく、精力的に活動を継続しています。
URL:http://www.schizophrenia.co.jp/support/index.aspx