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特集6 脳が疲れるしくみ、疲れさせない工夫


著:福田正人(群馬大学大学院 医学系研究科 神経精神医学 )

 

こころの病のさまざまな疲れ

「疲れやすくて困ります。何とかならないでしょうか?」
そういう訴えを多くの精神疾患の方からお聞きします。
体の病気があったり体調が悪いわけでもないのに、日々の暮らしや人づきあいの支障となる悩みです。

疲れ方はさまざまです。

体は悪くないのに、体の疲れと感じることがあります(身体疲労)。
短い時間で疲れてしまい、長く続けられずに困ります(持続力)。
何とか続けられても、注意力が落ちて集中できない疲れもあります(注意力)。
疲れの時間経過については、夢中で取り組んでいる間は平気なのに、後でドッと疲れが出ることがあります(過集中)。
休養をとっても疲れが抜けないことも困ります(回復力)。
1週間なら気力を保てるけれど、それ以上に長く続かない悩みもあります(継続力)。
そもそも、ふだんから疲れた感じで、ものごとを始める気持ちになれないこともあります(意欲)。
 

共通する症状としての疲れ

疲れはさまざまな精神疾患の方が感じています。
うつ病でも、統合失調症でも、発達障害でも皆さんが訴えます。
躁うつ病(双極性障害)や摂食障害の方が活発に動いているときは「疲れを押して」活動しているものです。

疲れを感じるのはこころの病に限りません。
風邪のような軽い体の病気でも疲れます。
疲れは病気の症状なのでしょうか?

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